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教員の仕事

子どもが急に朝起きられなくなったら疑って!起立性調節障害かもよ?

一昔前まで

朝起きれない、頭が重い。

これらの症状を訴えても

それは体調管理がしっかりできていないせいだよ。

ごたごたゆってないで、やる気をだしなさい!

と、病名も付けられていなかった、最近の学校現場で爆増中の、起立性調節障害という病気について語ります。

 

怠け者に見える病気

最近すごく増えている起立性調節障害という病気。

どのくらい増えているかというと、現在の学校現場ではクラスに1〜2人くらいいる状態です。

10年前くらいはそんな病名あんまり聞かなかったんですが、最近何かと起立性調節障害…。

単純にこの病気になったことのない人からすると、怠け者に見える病気です。

といってもイメージがわかないと思うので、事例を紹介しますね。

決して怠けたいわけではない!

小学校の頃までは普通に学校に行っていたのに、

中学校になって部活に疲れているのかだんだん朝起きるのが遅くなり、

ついには起きてこなくなる。

どうして?

と聞いても

頭が重い。起きられない。

学校でいじめられているわけではないし、勉強もできるのに…くれば友達もいるし楽しいはずなのに…なぜ?

そんなふえに周囲に原因がないものだから、

本人の怠惰と思われてしまいがち。

はっきり言って、朝起きられないとかただの根性なしだろ?と体育会系の私なんかは思うわけですけど。

そうじゃないんだそうです。

体の調子を聞いていると、

「朝は起きられない、午後や夜は調子が良くなる。」

「部活の時間や、夜にテレビ見たりする時間はふつうに過ごせます。」

待て待て、つまりきみは楽しいことをやってる時は元気になって、学校の勉強が行われる朝は調子が悪くて起きられないと?

そんな話があるかいな!

夜早く寝れば起きれるだろ!

とりあえず明日8時に寝ろ!

ってがそれ好きなことしかやりたくない病!ってやつだろ!

今ならまだ間に合うから、しっかりしろ!!!

とか思ってましたけど、そうじゃないんです。

自分の子どもが急に朝起きられなくなったら、起立性調節障害という病気の可能性が高いです。

起立性調節障害

先ほどの事例のように、簡単に言うとやる気や心の問題にかかわらず、

朝起きられないという病気です。

症状の多くは倦怠感や立ちくらみなどです。

朝に起きることが難しく遅刻や欠席をくり返していますが、保護者の多くは、いままでできれいたことが急にできなくなるものですから、

子どもの症状を「怠け癖」や、「ゲームやスマホ依存」、「夜更かし」、「学校嫌い」などが原因だととらえてしまいがちです。

それゆえ、学校にいきなさい!!!と朝から叱り、無理やり起こそうとして、親子関係が悪化することもよくあります。

主な症状は

  1. 立ちくらみ、めまい、頭痛がよく起こる。
  2. 立っていると気持ち悪くなる。
  3. いやなことを見たり聞いたりすると気持ちが悪くなる。
  4. 少し動くと動悸、息切れがする。(2階まで登るだけではぁはぁなるレベル。)
  5. 朝起きが悪く、午前中調子が悪い。(起こしてもなにも反応しないレベル。夜になると普通に元気になります。)
  6. 顔色が青白い。(←集合写真に写ると一人だけトーンが違います。)
  7. 食欲不振

 

こんな症状がみられるようです。

もし、お子さんにこの症状が当てはまるようであれば、学校に相談し、医療機関の受診をお勧めします。

原因はなんなのか?

朝起きられないとか、なったことない人からしたら意味不明な症状ですけど、自律神経の働きに問題があって起きるといわれています。

自律神経っていうのは、中学校の理科で習うんですけど、血圧や心臓、呼吸、汗、体温調節を勝手にやってくれる重要な神経です。

心臓の機能と同じで、自分の意志動かすわけではないので、早く起きようと思ったら起きれるとかそういう問題じゃないのです。

起立性調節障害はこの自律神経が弱くなったことによる病気なのです。

血圧の調節がうまくいかなくなり、脳や心臓への血液が不足し、立ちくらみなどがおこってしまいます。

ちなみに、自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。

イメージとしてはONとOFFを交互に使い分けて、体の働きのバランスをとっています。(ずっとONもずっとOFFもだめなわけですね。)

この交感神経と副交感神経のバランスが悪いと、朝起きが悪かったり、何となくだるいなどいった、生活習慣の乱れとよく似た症状が出てきます。

でも、じゃあなんでそんな自律神経乱れちゃうの?って言われるとよくわかんないのです。

一つだけ考えられているのが、思春期が始まる頃は、体の成長に自律神経の発達がついていけないのではないかと言われています。

中学生というのは心持ち体も大きく成長する、時期です。

その成長のために、体の中は非常に不安定な状態になっているのです。

精神的も不安定になりやすく、ものごとに対するこどもの感じ方が敏感です

人からどう見られているかをとても気にしたり、

スクールカーストにやたらと囚われたりしています。

そんなの、考えなければいいのにと大人が思うようなことに日々悩み、苦しみます。

こども自らが問題を解決してゆく力が十分ではないため、心と体のバランスも崩れることがきっかけで、様々な症状が出てくることに繋がるのです。

 

起立性調節障害の直し方

心と体が不安定な状態になるため起こる、思春期特有の病気なので、高校生になると治る子もいます。

自然にほっといても体の成長とともに、治ることがあるようですが、すぐに治る画期的な療法は今のところ無いようです。

家庭でできることとしては、生活のリズムを整えることくらいです。

早寝早起き(朝太陽の光を浴びることで体内時計が整います)

散歩などの軽い運動をする。

食事の仕方など日常生活の中で出来ることからやっていきましょう。

あとは心の問題もある可能性もあるので、子供の話をよく聞いてあげたり、カウンセラーの先生を利用したりして心のサポートができるといいと思います。

保護者の方も自分たちだけで抱えると、不安になりますから、学校や医療機関にも協力してもらいながら、子どもと向き合っていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

起立性調節障害のお子さんがいると、周りのこと違うことに戸惑いや不安が生まれるのは当然のことです。

でも、みんなと違って一番不安なのは、子ども自身です。

頑張りたくても頑張らないのは辛いものです。

自分一人の力だけではどうにもならないからこそ 、保護者の方の協力が必要です。

子供の病気を受け入れて寄り添っていくことが、必要です。

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  • この記事を書いた人

いずみ

人生をネタにしているアラサー。 基本めんどくさがりのなんでも楽しむスペシャリスト。 趣味は登山、お絵描き、人間観察、ブログ

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